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桜井 淳
JAERI 1286, 32 Pages, 1983/08
原子炉材料の照射損傷を究明する上で0.1~1MeV領域の中性子線量評価が重要になってきている。このエネルギーの中性子に感度をもつ中性子ドシメータは、熱中性子炉に対してわずかしかなく、現在実用化されているものはRh(n、n')RhおよびNp(n、f)FPのみである。このエネルギーをカバーする新しい中性子ドシメータHg(n、n')Hg、Nb(n、n')NbおよびAg(n、n')Agの実用化研究を行った。
桜井 淳
Nuclear Technology, 57(6), p.436 - 441, 1982/00
ドシメータNb(n,n´)Nbは、0.1MeV以上の中性子フルエンスを測定する上で、いくつかの利点をそなえている。すなわち(1)反応のしきいエネルギーが30KeVと低い、(2)アイリマーの半減期が13.6年と長い、(3)中性子断面積の形が中性子照射損傷関数の形と類似している。そのために、このドシメータを使って軽水炉圧力容器部の、0.1MeV以上の中性子フルエンスを測定する試みがなされている。このドシメータを使って原研JMTRのベリリウム反射体第2層目(J-12)の、0.1MeV以上の中性子フルエンスを測定し、ドシメータFe(n,p)nで測定した結果と比較した。Nb(n,n´)Nbで測定した0.183MeV以上の中性子フルエンスは、Fe(n,p)n反応で測定した値およびJMTR核計算で算出した値よりも23%大きい。Nb(n,n´)Nb反応で計測した0.1MeV以上の中性子フルエンスの不確定は、使用した中性子スペクトル、中性子断面積、半減期およびKX-線分岐比の全不確定を考慮しても30%以下である。
関根 俊明; 馬場 宏
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 40(12), p.1973 - 1976, 1978/00
被引用回数:1Nbをターゲット核とする二重中性子捕獲によって生成するNb異性体の収率を調べた。Westcottの熱外中性子パラメーター√T/Toが0.022の条件のもとで、Nb(n,)NbとNb(n,)Nb反応の実効断面積はそれぞれ0.610.03barnと14.60.2barnであった。核異性体生成比の実験値を統計モデルによる理論値と比較することによって、複合核のスピンを決定するとともに、ガンマ・カスケード放出過程における四極子遷移の寄与を推定した。